管理人のイエイリです。
静岡県や兵庫県、東京・渋谷などで、街並みや地形などを計測した点群データが無料公開され、建築・土木のプロからゲーム愛好家のアマチュアまで、点群データの活用機運が高まっています。
そんな中、産業技術総合研究所(以下、産総研)の情報・人間工学領域 人工知能研究センター 地理情報科学研究チームがこのほど無料公開したWebベースの点群ブラウザー「3DDB Viewer」が、一部の点群ユーザーの間で話題になっています。
アプリをインストールすることなく、ウェブブラウザー(Internet Explorer、Microsoft Edge、Android、iOSなどを除く)で「3DDB Viewer」を開くだけで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
点群データをサクサク
見ることができるのです。(産総研のプレスリリースはこちら)
イエイリも産総研のサイトにあるマニュアルを見ながら、試してみました。各機能は既に画面上に出ているので、マニュアルも数分で理解できます。
ただ、日本地図を見ながら「ここの点群データを見てみよう」と試しても、たいていはうまくいきません。というのは現在のところ、データベースに登録されている点群データが東京・お台場周辺や茨城・つくばセンター、千葉・柏の葉キャンパス、そして静岡・白糸の滝などに限られているからです。
そこで、まずは産総研のマニュアルにある東京・お台場周辺をクローズアップして、マニュアルと同じ場所で点群データを検索してみました。
すると5種類の点群データが引っかかりました。その内容は3Dレーザースキャナーを航空機やヘリコプター、クルマ(MMS)に載せて計測したものや、地上に据え付けて計測したものです。
それぞれの点群は、どの範囲をカバーしているのかを調べるため、左側のチェックボックスに1つずつ、チェックを入れながら見てみました。
続いて、点群を拡大し、産総研のビルがあるあたりを見てみました。計測方法によってどんな点群がとれているでしょうか。これもチェックボックスに1つずつ、チェックを入れて比較してみました。
一番広い範囲をカバーしているのは、航空機によるメッシュです。その全景や計測範囲は次のような感じでした。
これらの点群データは、ブラウザー上で見るだけでなく
無料でダウンロード
できるのです。
試しに、お台場付近の「ヘリコプターによるメッシュ」をダウンロードし、解凍してみたところ、その容量は12GBにも及ぶ巨大なものでした。
ファイルの中身は細かい「タイル」ごとにフォルダで分割されており、その中には「.mtl」形式と「.obj」形式、そしてテクスチャー用の「.jpg」ファイルが入っていました。
データベースには点群データのほか、「.fbx」形式の3Dモデルも含まれています。試しに千葉・柏の葉キャンパスの点群データをダウンロードしたところ、容量は約360MBでした。
このデータも、建物や地形を小分けしたフォルダに入っていますが、その1つにあった「.fbx」形式のファイルをクリックすると、Windows10付属の「3Dビューア」が立ち上がり、モデルの内容を確認することができました。
まだ、登録されている点群や3Dモデルのデータは少ないですが、今後、静岡県や兵庫県などの点群データベースとクラウド連携などが行われると、日本全国を高精度の点群データでカバーする“バーチャル・ジャパン”へと進化していきそうです。
今後の発展が楽しみな「3DDB Viewer」を一度、試してみてはいかがでしょうか。