都市の点群、3Dモデルを無料でダウンロード!産総研が「3DDB Viewer」を公開
2020年8月19日

管理人のイエイリです。

静岡県兵庫県東京・渋谷などで、街並みや地形などを計測した点群データが無料公開され、建築・土木のプロからゲーム愛好家のアマチュアまで、点群データの活用機運が高まっています。

そんな中、産業技術総合研究所(以下、産総研)の情報・人間工学領域 人工知能研究センター 地理情報科学研究チームがこのほど無料公開したWebベースの点群ブラウザー「3DDB Viewer」が、一部の点群ユーザーの間で話題になっています。

「3DDB Viewer」について報告する産総研のプレスリリース(以下の資料:産総研)

アプリをインストールすることなく、ウェブブラウザー(Internet Explorer、Microsoft Edge、Android、iOSなどを除く)で「3DDB Viewer」を開くだけで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

点群データをサクサク

見ることができるのです。(産総研のプレスリリースはこちら

イエイリも産総研のサイトにあるマニュアルを見ながら、試してみました。各機能は既に画面上に出ているので、マニュアルも数分で理解できます。

ただ、日本地図を見ながら「ここの点群データを見てみよう」と試しても、たいていはうまくいきません。というのは現在のところ、データベースに登録されている点群データが東京・お台場周辺茨城・つくばセンター千葉・柏の葉キャンパス、そして静岡・白糸の滝などに限られているからです。

静岡・白糸の滝付近の点群データ

茨城・つくばセンターの点群データ

そこで、まずは産総研のマニュアルにある東京・お台場周辺をクローズアップして、マニュアルと同じ場所で点群データを検索してみました。

まずは東京・お台場当たりを狙ってみる。左のメニューの「Bounding Box」にチェックを入れて「Search」のボタンをクリックすると赤い四角形のアイコンが表示されるので、それをお台場あたりにドラッグして移動させる

お台場周辺をクローズアップしたところ。最初に試したときは、5種類の点群データが検索に引っかかった

すると5種類の点群データが引っかかりました。その内容は3Dレーザースキャナーを航空機やヘリコプター、クルマ(MMS)に載せて計測したものや、地上に据え付けて計測したものです。

それぞれの点群は、どの範囲をカバーしているのかを調べるため、左側のチェックボックスに1つずつ、チェックを入れながら見てみました。

「航空機によるメッシュ」を表示させたところ。さすがに広い範囲です

「ヘリコプターによるメッシュ」を表示させたところ。飛行機よりは狭くなっています

「MMS点群」を表示させたところ

「地上型3Dレーザースキャナー」のうち1つの点群を表示させたところ。かなり狭い範囲です

続いて、点群を拡大し、産総研のビルがあるあたりを見てみました。計測方法によってどんな点群がとれているでしょうか。これもチェックボックスに1つずつ、チェックを入れて比較してみました。

「航空機によるメッシュ」を表示させたところ。ややもっさりした感じですが、結構、シャープです

「ヘリコプターによるメッシュ」を表示させたところ。飛行機よりもかなりディテールが細かいです

「MMS点群」を表示させたところ。下の方の点群や街路樹などが精密です

「地上型3Dレーザースキャナー」の点群。照明灯など細かいものがよく記録されています

一番広い範囲をカバーしているのは、航空機によるメッシュです。その全景や計測範囲は次のような感じでした。

飛行機によるメッシュ全景をパースのように表示させたところ。圧巻のスケールです

航空機によるメッシュの範囲を地図上で見たところ

これらの点群データは、ブラウザー上で見るだけでなく

無料でダウンロード

できるのです。

試しに、お台場付近の「ヘリコプターによるメッシュ」をダウンロードし、解凍してみたところ、その容量は12GBにも及ぶ巨大なものでした。

ファイルの中身は細かい「タイル」ごとにフォルダで分割されており、その中には「.mtl」形式と「.obj」形式、そしてテクスチャー用の「.jpg」ファイルが入っていました。

「タイル」内の「.obj」ファイルを試しにクリックしてみたところ。するとWindows10付属の「Print 3D」が立ち上がり、3Dプリンターで製作したときの見積もり価格が表示された

データベースには点群データのほか、「.fbx」形式の3Dモデルも含まれています。試しに千葉・柏の葉キャンパスの点群データをダウンロードしたところ、容量は約360MBでした。

このデータも、建物や地形を小分けしたフォルダに入っていますが、その1つにあった「.fbx」形式のファイルをクリックすると、Windows10付属の「3Dビューア」が立ち上がり、モデルの内容を確認することができました。

データベース上の3Dモデルの例

ダウンロードした千葉・柏の葉キャンパスの3Dモデルを「3Dビューア」で見たところ

まだ、登録されている点群や3Dモデルのデータは少ないですが、今後、静岡県や兵庫県などの点群データベースとクラウド連携などが行われると、日本全国を高精度の点群データでカバーする“バーチャル・ジャパン”へと進化していきそうです。

今後の発展が楽しみな「3DDB Viewer」を一度、試してみてはいかがでしょうか。

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