管理人のイエイリです。
東京大学発のスタートアップ企業、ARAV(本社:東京都文京区)と言えば、スマートフォンやパソコンで数百キロメートルも離れた場所にある重機を遠隔操作できるシステムの開発で知られています。
当サイトでもこれまで、バックホーの遠隔操作(2020年12月15日の記事)やキャリアダンプの遠隔操作(2021年2月10日の記事)などで、その“お手軽さ”を紹介してきました。
従来の無人化施工は、危険な場所での作業を安全に行うことが目的でしたが、ARAVの場合は「重機オペレーターのテレワーク」を目的としているのが特徴です。そのため、操作はインターネット回線を通じて行います。
遠隔操作に使う重機は、最新型のものが必要なのかと思われがちです。しかし、同社がこのほど発売した「Model V」というシステムは、10~20年前のレガシーな建機を
ナ、ナ、ナ、ナント、
後付けで遠隔操作化
できるのです。(ARAVのプレスリリースはこちら)
各レバーへの遠隔操作機構の取り付けは、クランプとネジなどによって手軽に行えます。重機自体を改造する必要はありません。
また、遠隔操作機構が付いたままでも、人間のオペレーターが乗って操作することもできるようになっています。
ARAVの重機遠隔操作システムには、多くの問い合わせが寄せられており、実物の建機を使った遠隔操作体験は数カ月待ちの状況とのことです。
そこで同社は、実物の建機と同様に動く
14分の1スケールの建機
モデルを開発しました。(ARAVのプレスリリースはこちら)
運転席内にカメラが設置されており、実物同様のリアルな操作感を体験できます。
体験操縦にご興味のある方は、こちらのサイトからインターネットを通じて申し込むことができます。
ARAV独自の技術で、遠隔操作にはスマホやパソコンのどちらでも使えます。
また、コントローラーには冒頭の専用コントローラーのほかゲーム用のコントローラーやフライトシミュレーターなどで使われるジョイスティックを2本使いするといった本格的なものも選べます。
気になるお値段ですが、ARAVでは公表していません。推定するに、一般的なバックホーよりは安いレベルなようです。
あと1年もすれば、テレワークで国内外の建設現場の重機作業を行うオペレーターも、何人か出てきていそうですね。