遠隔操作で河川敷に巨大彫刻! “Google Mapsに残る仕事”に国交省も全面協力
2021年12月21日

管理人のイエイリです。

昨日(2021年12月20日)の12時半から、YouTubeで山梨県の河川敷から30分ほどの実況中継が行われました。番組のタイトルは「建設機械×Digital 建設機械が動かすのは土だけじゃない、人の心だって動かす」という熱いものです(現在は録画が見られます)。

現場リポーターを務める湯澤工業(山梨県南アルプス市)の常務取締役、湯沢信氏らは、1年前も同様に「2021 SMILE」という巨大メッセージを、南アルプス市内の釜無川河川敷に彫刻しました。(詳しくは、2021年1月4日付の当ブログ記事を参照

2021年12月20日の12時半から始まった実況中継(以下の資料:湯澤工業、多数の協力者)

現場リポーターを務める湯澤工業の常務取締役、湯沢信氏

現場では数台のICT建機が稼働していた(左)。巨大な「2」の彫刻が見える

「2022 POWER」の完成予想図

この番組の企画は、2022年の新年を迎えるにあたり、河川敷に「2022POWER」という巨大なメッセージを、ICT建機で彫刻しようというものです。

しかし、今回は前回よりもかなりチャレンジングな企画になっていました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

無人建機を遠隔操作

して、この彫刻を施工しようというのです。

現場からやや離れた場所に設置されたバックホーの遠隔操作システム

遠隔操作システムの座席には、現場の建機からの振動がフィードバックされる振動台が付いている(左)。遠隔操作システムはハイエースの中に設置され、どこでも移動できる

この遠隔操作システムは、ワンボックスカーの「ハイエース」の中に設置されており、当日は現場から少し離れた場所に駐車されていました。

遠隔操作する女性オペレーターは、建機に搭載された3台のカメラと、建機外に設置された3台の、合計6台のカメラ映像と、マシンコントロールシステムの画面を見ながら、操作します。

その座席には振動台が設置されており、建機の振動がフィードバックによって体感できるようになっています。

河川敷に立体文字を掘るという作業は、現場にいても難しそうです。しかし、デモンストレーションでは「P」の字の周囲→浮き彫りの斜面→上面という順序で、遠隔操作とは思えないスムーズさで、楽々と作業を行う様子が放映されました。

「P」の字を掘る一連の作業。遠隔操作とは思えないほどのスムーズさだった

国土交通省も今回の企画を「社会インフラを活用し、建設技術で社会を明るくする運動 (試行)」として全面的にバックアップしており、施工に使用した「2022 POWER」という3Dモデルのデータを、IFC形式やLandXML形式、SKP形式で同省のウェブサイトからダウンロードできるようにしています。

施工に使用した「2022 POWER」の3Dモデルがダウンロードできる国交省のウェブサイト

そして、今日(12月21日)はさらにチャレンジングなことが行われる予定です。今回の企画に協力している富士建の本社がある

佐賀県からの遠隔操作

で、新年メッセージの続きを掘るというのです。

現場から約800km離れた佐賀県から、超長距離での遠隔施工が成功すれば、快挙ですね。

佐賀県から遠隔操作を行うことを発表した富士建の専務取締役、角和樹氏(右)

ちなみに、2021年用に掘った新年メッセージはその後、Google Mapsの航空写真にも撮られて、現在も掲載中です。(「2021 SMILE」が記録されたGoogle Mapsはこちら

Google Mapsに残った2021年の新年メッセージ

建設会社の方、今年末に近くの河川敷を借りて「2022 POWER」を掘り、“地図に残る仕事”をしてみてはいかがでしょうか?

【後日談】

湯澤工業の湯沢氏より、12月22日に完成写真をいただきましたので、追加で紹介させていただきます。

土羽打ち仕上げにて、堂々完成した「2022 POWER」の巨大彫刻(写真:湯沢信氏)

ドローンから撮影した施工中の建機。掘削や土羽打ちを考えた工程が感じられます(写真:湯沢信氏)

ドローンから撮影した「2022 POWER」。陰影が付くと、さらに見栄えがしますね(写真:湯沢信氏)

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