管理人のイエイリです。
東京・港区にある鹿島本社の一角に、VR(バーチャルリアリティー)ゴーグルやパソコン、大型モニター、カメラなどを備えたコーナーが常設されました。
その名も「大河津分水路現場 360°ライブ映像配信ブース」というものです。
ここでVRゴーグル着けている人が「はい、見えてますよ」などといいながら見ているのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
新潟県内にある360°カメラ
「RICOH THETA」から送られてくるリアルタイム映像だったのです。(鹿島、リコーのプレスリリースはこちら)
鹿島が新潟県長岡市内で施工中の「大河津分水路新第二床固改築Ⅰ期工事」(発注者:国土交通省北陸地方整備局)の現場では、「リコーバーチャルワークプレイス(以下、VWP)」を導入し、VRを活用した遠隔現場管理を行っています。(2021年6月29日付の当ブログ記事参照)
これまではウェブカメラを使って遠隔会議を行っていましたが、画角が限られていたため、遠隔で参加している人は、現場の全体像が十分に把握できないという課題がありました。
そこで360°を導入しました。遠隔からの参加者もまるで現場に行っているかのように、周囲を上下左右に見回しながら自由に話し合えるようになったため、これまでよりも迅速な合意形成ができるようになりました。
このシステムを使って、工場の遠隔検査も行いました。この工事で使用する鋼殻ケーソンは、北九州の工場で製作されています。
これまでは鋼殻ケーソンの外観検査のため、工事関係者全員が現地に行く必要がありました。
しかし、このシステム導入した結果、360°カメラとウェブカメラを持った
社員1人が工場を訪問
し、工場検査の様子をライブ配信するだけで、他の関係者は遠隔で検査に参加できたのです。
遠隔検査は特に問題なく終了しました。これによって移動時間やスケジュール調整の手間が減り、大幅な生産性向上が実現しました。
360°カメラによるリアルタイム配信や双方向コミュニケーションに使用したシステムは、「RICOH Live Streaming API」という映像コミュニケーションプラットフォームです。
アプリやWEBサービスとAPI連携して、映像や音声によるリアルタイムな双方向配信機能を簡単に埋め込むことができます。
利用料金はサーバー通信量によって決まり、1GB当たり30円です。遠隔臨場で現場2台、オフィス3台の端末・パソコンを使った場合の料金は毎分16円程度になります。
実際、360°カメラのリアルタイム映像の中で、どのように会議が行われているのかは、下の動画を見るとよくわかりますよ。
360°カメラの映像内で行われたオンライン会議(動画:鹿島)