鹿島とリコーが360°カメラで遠隔臨場! 複数人が自由な視点でバーチャル会議
2021年12月22日

管理人のイエイリです。

東京・港区にある鹿島本社の一角に、VR(バーチャルリアリティー)ゴーグルやパソコン、大型モニター、カメラなどを備えたコーナーが常設されました。

その名も「大河津分水路現場 360°ライブ映像配信ブース」というものです。

鹿島本社に常設された「大河津分水路現場 360°ライブ映像配信ブース」(特記以外の写真、資料:鹿島、リコー)

ここでVRゴーグル着けている人が「はい、見えてますよ」などといいながら見ているのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

新潟県内にある360°カメラ

「RICOH THETA」から送られてくるリアルタイム映像だったのです。(鹿島、リコーのプレスリリースはこちら

新潟県長岡市の大河津分水路現場に設置された360°カメラ「RICOH THETA」

鹿島が新潟県長岡市内で施工中の「大河津分水路新第二床固改築Ⅰ期工事」(発注者:国土交通省北陸地方整備局)の現場では、「リコーバーチャルワークプレイス(以下、VWP)」を導入し、VRを活用した遠隔現場管理を行っています。(2021年6月29日付の当ブログ記事参照

これまではウェブカメラを使って遠隔会議を行っていましたが、画角が限られていたため、遠隔で参加している人は、現場の全体像が十分に把握できないという課題がありました。

そこで360°を導入しました。遠隔からの参加者もまるで現場に行っているかのように、周囲を上下左右に見回しながら自由に話し合えるようになったため、これまでよりも迅速な合意形成ができるようになりました。

360°カメラの映像を見ながら行われたオンライン会議。現地の担当者が「仮想ビーム」で杭打ち用の台船などを指しながら現場の説明を行っているところ

このシステムを使って、工場の遠隔検査も行いました。この工事で使用する鋼殻ケーソンは、北九州の工場で製作されています。

これまでは鋼殻ケーソンの外観検査のため、工事関係者全員が現地に行く必要がありました。

しかし、このシステム導入した結果、360°カメラとウェブカメラを持った

社員1人が工場を訪問

し、工場検査の様子をライブ配信するだけで、他の関係者は遠隔で検査に参加できたのです。

遠隔検査は特に問題なく終了しました。これによって移動時間やスケジュール調整の手間が減り、大幅な生産性向上が実現しました。

北九州の工場の遠隔検査イメージ。現地へは360°カメラを持った社員1人だけが訪問し、発注者や現場担当者などは遠隔で参加した

遠隔検査時の360°ライブ配信映像。現地を訪れた社員が持つウェブカメラで細部を映した映像がその中に表示されている

実際の映像。現地担当者の視線の先にあるボルトがクローズアップで表示されている

360°カメラによるリアルタイム配信や双方向コミュニケーションに使用したシステムは、「RICOH Live Streaming API」という映像コミュニケーションプラットフォームです。

アプリやWEBサービスとAPI連携して、映像や音声によるリアルタイムな双方向配信機能を簡単に埋め込むことができます。

利用料金はサーバー通信量によって決まり、1GB当たり30円です。遠隔臨場で現場2台、オフィス3台の端末・パソコンを使った場合の料金は毎分16円程度になります。

RICOH Live Streaming APIの仕組み(資料:リコー)

実際、360°カメラのリアルタイム映像の中で、どのように会議が行われているのかは、下の動画を見るとよくわかりますよ。


360°カメラの映像内で行われたオンライン会議(動画:鹿島)

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