管理人のイエイリです。
東急建設が設計施工を担当する集合住宅と事務所のプロジェクト「(仮称)京王電鉄バス中野車庫B敷地開発計画」(東京都中野区)では、同社の標準プレキャスト(PCa)バルコニー板が使われています。
このPCaバルコニー板を工場で製造する際に使われた鉄筋の一部は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMで自動加工
したものが使われたのです。(東急建設のプレスリリースはこちら)
この取り組みは東急建設と岩瀬プレキャスト(本社:茨城県桜川市)が共同で行ったもので、バルコニー板のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデル作成から鉄筋加工までのフローを自動化することを目指したものです。
その手順は、建物のBIMモデルから鉄筋のBIMモデルを自動生成し、さらに板図を自動作成。そして鉄筋の自動加工機へとデータを連携して製造を行いました。
そして現在は、BIMモデルを実物と重ねて見られるMR(複合現実)の技術を使った
製造過程における検査
についてもシステムを開発中です。
両社は今回の実証を経て、2022年度中にさらに改良を重ねるとともに、柱や梁などの構造部材への適用に向けた開発を進めていく予定です。
東急建設は、長期経営計画で競争優位の源泉の一つに「デジタル技術」を挙げています。
今回、BIMによる鉄筋の自動加工を行った岩瀬プレキャストは、東急建設とスパンクリートコーポレーション(本社:東京都文京区)が2021年4月に設立した合弁会社です。
また、シンガポールには日本工営とともにBIMによる設備設計会社「Indochine Engineering Limited」を買収(2020年7月31日付の当ブログ記事を参照)したほか、積算会社の川村積算(本社:東京都文京区)を子会社化しました。
こうした取り組みを通じて、BIMによる一気通貫のサプライチェーンを構築し、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を目指しているのです。