管理人のイエイリです。
2022年の日本は3Dプリンターによる建設プロジェクトが本格化し、“日本の建設用3Dプリンター元年”とも言われ始めています。
セレンディクス(本社:兵庫県西宮市)は日本で初めて3Dプリンターで住宅を建設し(2022年3月9日付の当ブログ参照)、Polyuse(本社:東京都港区)は建築確認済証を取得した建物を日本で初めて3Dプリンターで施工しました(2022年3月15日 付の当ブログ参照)
さらに2022年5月23日には、
ナ、ナ、ナ、ナント、
金沢工業大学と鹿島
が、セメント系3Dプリンティング技術に関する共同研究を始めることを発表したのです。(金沢工業大学のプレスリリースはこちら)
両者は金沢工大の研究所が集まるやつかほリサーチキャンパス(石川県白山市)内に、「KIT×KAJIMA 3D Printing Lab」を設立し、スイスのABB社製ロボットアーム式3Dプリンターを設置しました。
共同研究では、最適な材料の選定やロボットの制御、補強材の設置を含めた構造計算や、解析によるシミュレーションなどを行います。
そして、造形に使用する材料には、鹿島らが開発した環境配慮型コンクリート「CO2-SUICOM」を使用します。
その名の通り、このコンクリートが固まる時に
CO2を「吸い込む」
性質をもっており、1立米を3Dプリントするごとに、地球上のCO2を18kgも減らせる計算なのです。
3Dプリンターは型枠を使わず、空洞を持った構造物も自由自在に造形できるので、一般のコンクリート構造物に比べて使用材料を減らすことができるという特長があります。
さらにCO2を“吸い込む”材料を使うことで、コンクリート構造物は環境にやさしいものへと大きく変身していきそうですね。
金沢工大と鹿島は、3Dプリンティングによる建設を広く認知してもらうため、2023年度に3Dプリンターによる製作物を北陸地方の公共の場に設置することを目指しています。