管理人のイエイリです。
2022年は「日本の建設用3Dプリンター元年」と言える出来事がいろいろとありました。
日本初の3Dプリンター住宅メーカーのセレンディクス(本社:兵庫県西宮市)も、その中の最有力プレイヤーの1社です。
日本で初めて、3Dプリンターで球形の住宅を24時間以内で建設(2022年3月9日付当ブログ)したのを皮切りに、さらに大きな住宅建設を目指して慶応義塾大学とコラボ(2022年4月12日付け当ブログ)しました。
またも10月には球形住宅「Sphere(スフィア)」を発売して初回販売の6棟を完売したほか、2023年正月には高島屋の福袋として家具などのおまけ付き福袋を1棟限定で販売するなど、マーケティング面でも注目を集めました。
そして、建設用3Dプリンター元年が暮れを迎えようとしていた12月、同社からまたまたビッグなニュースが飛び込んできました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
日本最大の3Dプリンター
を中国のYING CHUANG NEW MATERIALS(SUZHOU) CO.,LTD.(以下、WINSUN社)から導入し、同社と資本業務提携を締結したというのです。(セレンディクスのプレスリリースはこちら)
この3Dプリンターは縦12m、幅2.26mの大きさで、総重量は5.6tです。国内最大の100m2のサイズの建物まで、プリントすることができます。
これまで大きな建物や構造物を造形する3Dプリンターとしては、四隅に柱を立て、その間に梁をかけて門形クレーンのような仕組みで、造形用ノズルのXYZ位置を制御するタイプが主流でした。
今回の3Dプリンターはそれと同様な制御が行えますが、XYZ方向の部材をそれぞれ1本ずつにした新構造を採用しているため、門形クレーンタイプより
ずっとコンパクト
になりました。
建設用3Dプリンターの草創期である2011年に設立されたWINSUN社は、今や3Dプリンター建設の分野で多くの特許や建設実績を持つ、グローバル企業にまで成長を遂げています。
セレンディクスがWINSUN社と提携したことで、今後、世界で培われたノウハウや技術も日本に導入されることが期待できます。
これに先立ち、セレンディクスは2022年6月にオランダのTwente Additive Manufacturing(TAM社)から、60m2までの建物が造形できるロボットアーム型の3Dプリンターを導入しています。今後、これらの新型3Dプリンター活用し、来年には49m2モデル、100m2モデルの3Dプリンター住宅を開発する予定です。
同社の3Dプリンター事業は、「クルマが買える価格で家を購入できる」社会を実現することと、顧客志向を貫いていますので、ユーザーからの支持も多く集めそうですね。