管理人のイエイリです。
国土交通省が主導して整備し、無料公開している3D都市モデル「PLATEAU」は、都市のリアルな3D形状だけでなく、BIM(ビルディング・インフォメーション)モデルのように建築物や都市計画、土地利用、道路、橋などの属性情報も格納されています。
そのため、都市計画や防災から、気流や電波などのシミュレーション、さらにはゲームまで、様々な用途に活用することができます。
オープンデータなのでどんどん使いたいところですが、データが巨大すぎてダウンロードが大変だったり、一般的なスペックのパソコンでは開けなかったりといったネックもありました。(2021年3月29日の当ブログ記事参照)
こうした課題を解決するため、国土交通省とシナスタジア(本社:東京都品川区)は、2023年2月28日に画期的なオープンソースのツール「PLATEAU SDK for Unity」を公開しました。
これを使うと、あの重たいPLATEAUのデータを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ゲームエンジンのUnity
に属性情報付きでインポートし、軽快に活用できるのです。(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンのプレスリリースはこちら)
「PLATEAU SDK for Unity」は、Unity関連のツール、8万2000個以上を集めた「Unity Asset Store」で無料公開されています。このサイトに日本の政府機関が出品したのは、国土交通省が初めてとのことです。
機能としては、CityGML形式の都市モデルデータ(第2版シリーズ)をUnityにインポートできるほか、緯度経度座標を平面直角座標へ変換、3D形状データのポリゴンメッシュへの変換、属性情報の取得用API、OBJ、FBX、glTF形式へのエクスポートなどがあります。(詳しくは、PLATEAUサイトで公開のマニュアルを参照)
「PLATEAU SDK for Unity」の主な機能
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そして、このSDKのいいところは、使いたい部分の都市モデルを簡単にダウンロードできるようになったことです。
これまではPLATEAUの都市モデルをダウンロードするとき、100区画単位で1つのデータになっていたため、使う範囲がごく一部だったり、異なるデータ区画にまたがっていたりすると、すぐに数ギガバイト単位の容量になってしまいました。
また、地図上の位置と都市モデルのメッシュ番号を対応させるのにも、ひと苦労がありました。
それが、このSDKを使うと、
地図上で範囲を選択
して、必要な範囲だけインポートできるのです。
こうしてUnityにインポートしたPLATEAUの都市モデルをもとに、リアルな都市を舞台にしたゲームや、属性情報を利用した都市情報の可視化など、様々な用途のアプリケーション開発や都市シミュレーションを簡単に開発できます。
UnityでPLATEAUのデータが使えるようになったことで、都市のデジタルツインがさらに幅広い分野や用途で活用されていきそうですね。