管理人のイエイリです。
鉄建建設と竹中工務店のJVは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が発注した「JR新小岩駅南口駅ビルの新築工事」の施工を行っています。
このビルは、既存の鉄道高架下に新築されるため、高架橋の柱や梁、設備などと干渉しないように施工することが求めらます。
そこで鉄建建設と竹中工務店は、高架橋の映像から高精度に点群データ化した「デジタルツイン(デジタルの双子)」と、新築ビルのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使って、干渉などの不具合が起こらないよう、施工管理に努めています。
高架橋の映像撮影をまかされたのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
「Spot」
だったのです。(鉄建建設のプレスリリースはこちら、竹中工務店のプレスリリースはこちら)
「Spot」は米国のボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)社が開発した四足歩行ロボットです。今回は竹中工務店が保有するSpotに、動画撮影用の機材を搭載して現場を自動巡回させました。
その動画データを、CalTa(本社:東京都渋谷区)のデジタルツインアプリケーション「TRANCITY」で解析し、3D点群データ化しました。(TRANCITYについては2023年6月27日の当ブログ参照)
現場をデジタルツイン化するための動画撮影は、技術者が慎重に行っても映像がぶれたり、撮影漏れが起こったりします。こんな時は撮り直しという手戻りが発生し、大きな負担になっていました。
その点、Spotは階段や不整地でも障害物を回避しながら、事前に指示されたルートを自律歩行できるので、
“熟練の撮影技術”
を発揮でき、ブレや漏れのない映像撮影が行えました。その結果、映像撮影に要する時間が最大30%も削減できたのです。
Spotと言えば、人手不足時代の工事現場の“助っ人”として、様々な雑用をこなしてくれるロボットとして期待されていますが、その実力もあなどれません。
デジタルツイン化の現場撮影においては、もはや人間よりもSpotの方が上手なようですね。