Spotの“熟練の撮影技術”で高架下現場をデジタルツイン化! 鉄建、竹中、CalTaが実証実験
2023年8月4日

管理人のイエイリです。

鉄建建設と竹中工務店のJVは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が発注した「JR新小岩駅南口駅ビルの新築工事」の施工を行っています。

このビルは、既存の鉄道高架下に新築されるため、高架橋の柱や梁、設備などと干渉しないように施工することが求めらます。

そこで鉄建建設と竹中工務店は、高架橋の映像から高精度に点群データ化した「デジタルツイン(デジタルの双子)」と、新築ビルのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使って、干渉などの不具合が起こらないよう、施工管理に努めています。

新築ビルの基礎や鉄骨のBIMモデルと、高架橋のデジタルツインを照合させて干渉などを防いでいる(以下の資料:鉄建建設、竹中工務店)

新築ビルの基礎や鉄骨のBIMモデルと、高架橋のデジタルツインを照合させて干渉などを防いでいる(以下の資料:鉄建建設、竹中工務店)

高架橋の映像撮影をまかされたのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

「Spot」

だったのです。(鉄建建設のプレスリリースはこちら竹中工務店のプレスリリースはこちら

高架下の撮影を任されたのは、竹中工務店が保有する四足歩行ロボット「Spot」だった

高架下の撮影を任されたのは、竹中工務店が保有する四足歩行ロボット「Spot」だった

Spotの頭部には動画撮影用の機材が搭載されている

Spotの頭部には動画撮影用の機材が搭載されている

「Spot」は米国のボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)社が開発した四足歩行ロボットです。今回は竹中工務店が保有するSpotに、動画撮影用の機材を搭載して現場を自動巡回させました。

その動画データを、CalTa(本社:東京都渋谷区)のデジタルツインアプリケーション「TRANCITY」で解析し、3D点群データ化しました。(TRANCITYについては2023年6月27日の当ブログ参照

高架下を自動巡回しながら動画を撮影するSpot

高架下を自動巡回しながら動画を撮影するSpot

動画データをCalTaの「TRANCITY」で解析し、作成した高架下の点群データ

動画データをCalTaの「TRANCITY」で解析し、作成した高架下の点群データ

現場をデジタルツイン化するための動画撮影は、技術者が慎重に行っても映像がぶれたり、撮影漏れが起こったりします。こんな時は撮り直しという手戻りが発生し、大きな負担になっていました。

その点、Spotは階段や不整地でも障害物を回避しながら、事前に指示されたルートを自律歩行できるので、

“熟練の撮影技術”

を発揮でき、ブレや漏れのない映像撮影が行えました。その結果、映像撮影に要する時間が最大30%も削減できたのです。

Spotと言えば、人手不足時代の工事現場の“助っ人”として、様々な雑用をこなしてくれるロボットとして期待されていますが、その実力もあなどれません。

デジタルツイン化の現場撮影においては、もはや人間よりもSpotの方が上手なようですね。

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