BIM/CIMベンダーの巨人、米国Autodesk(オートデスク)はこれまで、日本国内の様々な建設関係企業と戦略的パートナーシップを締結し、各社とBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)による業務プロセスの変革に取り組んでいます。
当ブログがお伝えした例だけでも、日本設計、日建設計、大成建設、JR東日本コンサルタンツ、トプコンなど、ゼネコンから建築設計事務所、建設コンサルタント、測量機器メーカーまで、様々です。
そして、2022年2月17日、新たな提携が発表されました。そのお相手とは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
高砂熱学工業
だったのです。(オートデスクのプレスリリースはこちら)
Autodeskと国内の設備業との戦略的提携(MOU)は今回が初めてです。
高砂熱学工業と言えば、2021年12月に「DX戦略 ~行こう、未来へ TakasaGO!DX~」というDX(デジタル・トランスフォーメーション)戦略を発表したばかりです。
このDX戦略では、長期的な事業の持続可能性を持ちながら、空調技術と環境技術を提供する「環境クリエイター」を目指す方向性を打ち出しています。
そのデジタル基盤の一つとしてBIMを活用し、設計の自動化やフロントローディング、デザインやCO2排出量の見える化、BIMと施工ロボットとの連携のほか、同社のオフサイト生産プラットフォーム「T-Base」のセントラル生産システムを活用して、施工のプレハブ化やユニット化による品質と生産性の向上も目指しています。
今回の提携では、高砂熱学工業がBIMやクラウドで目指すDX戦略を、オートデスクが全面的にサポートするものです。
具体的には、DX戦略の中心にオートデスクのBIMソフト「Revit」を位置づけ、設備工事におけるBIMデータの標準化や、CO2排出量などの見える化、BIM 360やForgeなどオートデスクのクラウドプラットフォームの全社導入、そしてBIMによるフロントローディングや「T-Base」による施工のプレハブ化などを行います。
また、これから少子高齢化がますます進む日本の建設市場だけでなく、
国際事業の強化
や海外現地法人との連携も進めていきます。
Revitなどのオートデスク製品は、海外でも圧倒的なシェアを誇っています。これからの建設業は、BIMという共通言語を武器に、本格的な海外進出を図っていくことも重要な戦略になりそうですね。