管理人のイエイリです。
大林組が三重県伊賀市内で施工中の川上ダム(発注者:水資源機構)の現場は、AI(人工知能)や施工の自動化など、20を超える最先端建設技術の実験場となっています。
当ブログでもタワークレーン自律運転システム(2019年12月18日付記事)、ICT・IoT・AIを融合されたダム施工ソリューション「ODICT」(2019年10月4日付記事)、レベル4のダンプ自動運転(2020年10月29日付記事)、そして、屋内型ドローン(無人機)による堤体内の自動巡回点検(2022年8月4日付記事)といった取り組みを紹介してきました。
そして、大林組とKDDIスマートドローン(本社:東京都港区)は、さらなる挑戦に乗り出しました。
自律飛行ドローンを使って、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ダムの監視や測量
などを自動化するドローンシステムを開発し、川上ダムの現場で実証しようというのです。(大林組のプレスリリースはこちら)
この実証実験では、ダム現場に充電装置を備えたドローンポートを設置し、ここからドローンが離陸させ、現場内を目視外無人飛行(レベル3飛行)で自律飛行させます。
ドローンに搭載されたカメラと、携帯電話用のLTE回線で現場の映像をリアルタイムに配信するとともに、静止画を撮影し、充電ポートに着陸し格納されます。
飛行中に撮影した静止画はドローンが着陸後、自動的にクラウドにアップされ、関係者間で共有されるとともに、点群データや真上から見たオルソ画像に変換したり、AIなどを活用した解析を行ったりして、施工管理に活用します。
この技術開発によって、
現場に行くことなく
どこからでも現場状況を確認できるほか、測量や巡視が行えるようになるので、「移動のムダ」などの大幅な削減が期待できます。
この実証実験は、国土交通省が募集した2022年度の「官民研究開発投資拡大プログラム」(PRISM)に採択されて行います。
この実験が成功すれば、川上ダムは堤体内の監査廊から外部空間まで、ドローンの自律飛行で点検や測量が行えることを実証したことになり、ダム管理の省人化や生産性向上は大幅に進みそうですね。