管理人のイエイリです。
いまさら言うまでもありませんが、日本では高度成長期の1960年代に建設された道路や橋、トンネルなどの社会インフラは、建設から50年を経過するものが急激に増えています。
それに伴い、インフラ設備・施設の維持管理費も急激に増えることになります。維持管理作業のやり方も、従来の「人による調査・点検」から、IT(情報通信技術)やロボット技術を使って効率化していく必要がありますね。
建設後50年以上経過する社会インフラの割合(左)と更新費・維持管理費の増大(右)(以下の資料:トプコン) |
そこで、トプコンと東芝はこのほど、アスファルト舗装道路の路面ひび割れを調査・診断するシステムを共同開発し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
インフラ劣化高速診断
市場に本格参入することになったのです。
その第一弾として、トプコンは高精度GNSS(全地球衛星測位システム)や移動体の情報処理技術、東芝は高度な画像処理技術をそれぞれ持ち寄り、これらの技術を融合してアスファルト路面用のひび割れ調査・診断システムを開発しました。
これまでは「ひび割れがない」という区間も人間がすべて目視などで検査していたので、調査に時間がかかっていました。
そこで詳細調査前にこのシステムを使う、問題のありそうな区間だけをピックアップする「スクリーニング」を自動的に行えるようになります。
その分、作業は効率的になり、トプコンの調査によると従来に比べて
作業時間を約40%削減
することができます。
現在、両社のほかオリエンタルコンサルタンツも参加してこのシステムを使った実証実験も進めているとのことです。
ITを使って「異常なし」の部分をふるい分けることにより、維持管理作業を効率化する方法は、今後も増えていきそうですね。
これも、現場の状況をコンピューターに取り込んで処理できるようにする「リアリティー・コンピューティング」の考え方と言えるのではないでしょうか。