管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用が、建物完成後の運用・維持管理段階まで広がってきました。
安井建築設計事務所はこのほど、IoT環境センサーとBIMモデルを連携させた日本初の建築情報マネジメントシステム「BuildCAN(ビルキャン)」を開発しました。(安井建築設計事務所のプレスリリースはこちら)
建物内の環境をBIMモデル上で“見える化”した結果、春や秋の中間期には空調機を停止し、「窓を開けましょう」と自然通風換気をアドバイスすることができ、空調エネルギーを
ナ、ナ、ナ、ナント、
最大60%削減
できることを確認したそうです。
BIMモデルには、属性情報として建物の面積や容積、仕上げ材料、各種機器などの建築情報がインプットされているほか、清掃履歴や修繕履歴などの維持管理記録、完成図や連絡網などの施設情報をリンクします。
その結果、建物に関する様々な情報を一元管理するデータベースとして機能します。
このシステムはクラウドサーバー上で運用されるため、ユーザーはパソコンやタブレット端末、スマートフォンなどのウェブブラウザーがあればどこでも利用することができます。
また、壁や天井裏にある構造や設備などのBIMモデルを見ることも可能です。
あまり高いスペックのパソコンでなくても、普通のウェブブラウザーがあれば、視点の移動や拡大・縮小、切断など
BIMモデルをサクサク
と閲覧することができるのです。
BIMモデルをウェブブラウザー上で閲覧する機能は、オートデスクのクラウド開発プラットフォーム「Forge」を使って開発されました。ウェブブラウザーは「WebGL」に対応したChromeやEdge、Firefoxなどが使えます。
大手ITベンダーも顔負けのシステムですが、開発したのは安井建築設計事務所(共同研究:熊本大学土木建築学科の大西康伸准教授)です。
今後は地震センサーや人感センサーとの連携、さらにはAI(人工知能)による解析や、BEMS(ビルエネルギー管理システム)との連動により、空調設備の制御機能の開発なども目指しているそうです。
また、BIMモデルをAR(拡張現実)化し、HoloLensを使って壁裏の配管などを“透視”する実験も密かに行っているそうですので、今後の機能拡張が楽しみですね。