管理人のイエイリです。
3Dプリンターによる住宅建設を手がけるスタートアップ企業、セレンディクス(本社:兵庫県西宮市)が、本格的なマーケティング戦略に乗り出しました。
同社は2022年3月に日本初の3Dプリンター住宅を、静岡市内の百年住宅 小牧工場内に建設したことを発表しました。(2022年3月9日付けの当ブログを参照)
「Sphere」と呼ばれるこの住宅は2022年10月に一般販売が始まりましたが、初回販売の6棟は既に完売しています。
そして、今度は
ナ、ナ、ナ、ナント、
高島屋の“目玉福袋”
として、1棟限定で販売されることになったのです。(高島屋のプレスリリースはこちら)
販売開始は2023年1月2日で、価格は330万円(税込み)。今回は、福袋のおまけとして、屋内の家具やアイテムが自由に選べるオプションが付いています。
応募多数の場合は、1月中旬までに抽選し、2月に納品予定とのことです。
床面積は約10m2、高さ約3.9mで、基本的に建築確認申請は不要ですが、都市計画区域などによっては別途、申請費用(実費)がかかる場合もあります。
また、造成工事や基礎工事、水道工事などは別途、費用がかかるとのことです。
高島屋では、この3Dプリント住宅を「リッチなグランピング施設」や「自分だけの趣味の離れ小屋」、「ワーケーション部屋」などとして使うことを提案しています。
セレンディクスには、3Dプリンター住宅の予約や問い合わせが、日本や海外を含めて1000件以上も来ています。
到底、日本だけで住宅の部材を作っていたのでは間に合いません。
そこで、日本を含む
世界5カ国のメーカー
に、同じデータを送り、同時並行で部材を生産することになりました。(セレンディクスのプレスリリースはこちら)
5カ国には日本のほか、オランダ、中国、韓国、カナダが含まれています。こうした分業体制も世界初とのことです。
2023年からは海外向けの販売も開始します。
セレンディクスはSphereの耐震性や安全性を確保するために、建築設計事務所 KAP(本社:東京都千代田区)と業務提携を行い、シミュレーションや実験などに取り組んでいます。(2022年7月1日付けの当ブログ記事を参照)
さらにこのほど、セレンディクスは三井住友火災海上保険(本社:東京都千代田区)と連携して、「日本初の3Dプリンター住宅向け保険」の開発も始めました。
誕生したばかりの3Dプリンター住宅には、欠陥や耐久性、地震や台風に対する安全性など、新しい住宅ならではの不安があります。
そこで自然災害による被害リスクについての知見やノウハウを持ち、保険の引き受け実績を持つ三井住友火災海上保険の協力を仰いで、3Dプリンター住宅という新技術への不安を安心に変えようという狙いです。
セレンディクスの他社にない強みは、3Dプリンター住宅のビジネスを、マーケティング戦略の4P(Product、Price、Place、Promotion)をトータルに進めているところでしょう。
3Dプリンターによる住宅の低価格化は「Price」、耐震性・安全性の向上や保険の開発は「Product」、「福袋」としての販売は「Promotion」、そして国際的な生産・販売体制の構築は「Place」というわけです。
2023年のうさぎ年で、「飛躍」や「向上」を象徴する干支(えと)と言われます。福袋で始まるセレンディクスの3Dプリンター住宅事業が、どのように飛躍するのかが、楽しみですね。