管理人のイエイリです。
インフォマティクスは、マイクロソフトのホログラフィックコンピューター「HoloLens」と同社のAR(拡張現実)ソフト「GyroEye Holo」を使って、工事現場に実寸大のCAD図面や3Dモデルを表示する実証実験をいろいろな現場で行っています。
HoloLensはもともと屋内での使用を前提に作られていますので、これまでは屋内の現場や、曇りの日に屋外で実験してきました。
●これまでのHoloLens活用例(画像をクリックすると過去記事に飛びます) | |
そして、このほどよりHoloLensにとって不利な条件の工事現場での活用が試されました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
カンカン照りの道路工事
現場で、HoloLensが使えるかをテストしたのです。
その結果、見事に現場の風景に重ねて道路の断面図や3Dモデルを見ることに成功しました。
実証実験が行われたのは「伊豆の国市南江間市道北側迂回路計画(国)136号 迂回路工その1」(発注者:静岡県沼津土木事務所)です。
施工者サイドから正治組、湯澤工業、山口土木、コンクリートサポートセンターが参加しました。また、CADデータは測点図や横断面図、3Dモデルデータを用意し、そのサポートは建設システムが行いました。
当日の天気は快晴で、気温は体感で32~33℃くらいありました。太陽光下の使用に備え、HoloLensにはサングラスの役目をするサンバイザーを取り付けました。やはり、サンバイザーがないと屋外の現場が明るすぎて図面などが見えませんでした。
また、オーバーヒート対策のために予備機を含めてHoloLensを3台用意しました。実際、1台が使用中にオーバーヒートを起こしましたが、予備機によって無事に解決できました。
図面などを現場の風景に正確に位置合わせするためには、原点となるマーカーの座標や向きなどの情報が必要ですが、3台のHoloLensの間でマーカーの情報を共有するという、新たな取り組みも成功しました。
その場にいた現場関係者全員が、HoloLensを体験しましたが、その感想は異口同音に「大変な可能性を感じる」というものでした。
現場での活用アイデアとしては、「耐震補強の状態を視覚的に確認する」「安全管理での活用として建築限界などのラインを表示する」「山や川、トンネル、橋梁などあらゆる現場で活用できそう」といったもののほか、情報化施工で使われる
マシンガイダンスの代わり
になるのでは、といった感想も飛び出しました。
確かに、HoloLensはGPS測量機器が不要なので大幅なコスト削減や工期短縮ができそうです。土木分野での活用も大いに期待できそうですね。