管理人のイエイリです。
現場の地形を3Dで高精度に計測するために、3Dレーザースキャナーや、UAV(無人機)で空撮した写真から作成したで計測した「点群データ」が使われます。
福井コンピュータが昨年10月に発売した「X-POINT」というソフトは、点群データを設計や施工管理などで使いやすくするため、過密すぎる点群を間引いたり、草木の下にある地盤面の点群だけを取り出したりする便利な機能を持っています。(詳しくは2014年9月22日の当ブログ記事を参照)
このX-POINTが早くもバージョンアップし、今年4月16日から「X-POINT 2016」(PDF)として発売されることになりました。
今回のバージョンでは、同じ現場で計測した複数の点群データを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
時系列的に管理
する「比較モード」を新設。過去と現在の点群を比較することにより、切り土や盛り土の土量計算が、手軽に行えるようになったのです。
いわば、3Dの点群データに時間軸を加えて「4Dによる活用」が行えるようになったわけですね。
また、図面作成機能も強化されました。同社の測量用CADソフト「Mercury-Evoluto」と連携して、地形図や立体図、断面図、展開図を作ることができます。
数値地形図を作成するときは、「拡張DM図式一覧」から記号を選択し、点群データ上の対象物を指定すると作図できます。
このほか、点群データと道路中心線などの線形情報(路線SIMAデータ)を組み合わせて、
任意の断面形状を抽出
するも搭載されました。
画面を「3D・上空・縦断・横断」で4分割して表示すると、現場の現況地形が立体形状と断面図で分かります。
気になるお値段ですが、「X-POINT 2016」の基本部が100万円(税別)、オプションのメッシュ土量計算が30万円(同)です。また、対応OSはWindows8.1、8、7(SP1)の各64ビット版、パソコンの推奨メモリーは8GB以上となっています。
私は「X-POINT 2016」によってこれまで活用方法が難しいと言われてきた点群データを設計や施工管理により使いやすくなったことが重要だと考えました。
つまり、実物の現場を忠実にデータ化する“情物一致”がますます手軽になり、これまでは現場で試行錯誤していたことをパソコン上で仮想的に行いやすくなったことを意味します。施工のフロントローディングも進んでいくのではと期待しています。