管理人のイエイリです。
モノ同士がインターネットでつながり、相互に情報交換しながら情報の見える化や自動制御などに生かす「IoT(Internet of Things)」という言葉をよく見聞きするようになりました。
LIXIL総合研究所は、IoTによって人・モノ・家・社会が情報で結ばれた「住生活の未来」を体感できる研究施設「U2-Home(ユースクウェアホーム)」を千葉県野田市に建設し、様々な研究を行っています。
IoT時代の家だけに、内外の様々な情報を収集する機能が設けられています。
門扉や外壁のほか、窓や天井、壁、ドア、キッチン収納、水栓、浴槽、トイレなど、
ナ、ナ、ナ、ナント、
屋内外に200以上
ものセンサーを設置してネットワーク化しているのです。
このセンサーネットワークは、IoTのインフラとも言えるものです。
屋内では部屋ごとの温度や湿度、ドアの開閉、住人の在室状況など、日々住生活にかかわるデータを収集しています。
また、屋外のセンサーからは天候や風向き、PM2.5、紫外線のほか、花粉の飛散状況の情報を得られます。
●住宅の屋内外に設置されたネットワーク環境やセンサー
【ユビキタス環境】
【ユニバーサル環境】 有機EL照明、テレビ、スマートフォン・タブレット・電子ペーパー・コミュニケーション・ロボット・カメラ、他 【主なセンシング項目】 屋外:温度・湿度、明るさ、風向・風速、紫外線、花粉/埃、PM2.5 室内:温度・湿度・明るさ・人の動き・建材の動き |
センサーで集めた情報は3つのレベルで活用します。レベル1は「人に伝達」、レベル2は「住環境を制御」、そしてレベル3は「高度な利用」です。
現在はレベル1と2について、安心・安全・健康・省エネなど、トータルな生活価値向上を目指した実験を行っています。
具体的には「レベル1」としてセンサー情報を「見える化」してタッチパネルやスピーカーで人に伝えます。
それに続く「レベル2」ではセンサー情報を元に住宅建材や家電を自動制御します。
ここにはIoTならではのモノとモノとの「連携」が随所に生かされています。
例えば門や玄関、外壁のカメラ、雨戸シャッター、庭の人感センサーを連携させて防犯制御を行ったり、窓シャッターや日よけ、シーリングライトを連携させたりして日射や快眠制御を行います。
さらに、建材と空調の連携として
電動窓・室内戸・エアコン
を連携させて換気や通風、ヒートショック予防の温度制御まで行うという賢さです。
面白いのは、住宅の屋根や周囲を上空から眺めた“住宅アラウンドモニター”も装備していることです。
複数の外壁カメラからの映像をリアルタイムに合成することにより、クルマと同じような画像が見られるようになっています。
最後の「レベル3」は2015年度からの取り組みですが、クラウドやビッグデータ、人工知能(AI)を活用して外部情報との連携を行い、介護・医療・防犯・エネルギー・生活サービス・教育・メディアなどの分野で、より高度な情報・サービスを提供することにしています。
IoT時代の住宅や暮らしを先取りした実験施設ですね。今後の成果がますます期待されます。