管理人のイエイリです。
建設業界はBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)などの3Dモデリングソフトの活用が、もはや珍しくなくなりつつあります。
その一方で、まだ建物や現場などを3Dでモデル化したことがないという人も、たくさんおられるでしょう。そんな人にお勧めなのが、メガソフト(本社:大阪市北区)が昨日(2018年10月30日)に発売した「3D工事イラストワークス」(Ver.1.51)というソフトです。
ソフトに付属している道路や敷地、建設機械などの3Dパーツを並べていくだけで、工事現場のリアルなCG(コンピューター・グラフィックス)が作れてしまうのです。もちろん、BIM/CIMソフトと同様にいろいろな角度から眺めたり、クレーンのアームを動かしたりすることも可能です。
このソフトの初版は2015年7月に発売されましたが、今回、ユーザーの声を反映して機能を強化しました。その筆頭は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
道路中心線データ
を読み込み、実物に近い線形で道路や交差点などを3D化できるようになったことです。
座標の読み込みは、トータルステーション用の「APA形式」や、「SIMA形式」に対応しているほか、手入力も可能です。
道路中心線上の座標を頂点として、丸みを帯びた曲線の道路を3Dモデル化しますが、クロソイド曲線などのような複雑な曲線は描けません。そこで座標点をきめ細かい間隔で入力すると、実感のある道路モデルを作れます。
まだまだ改良の余地もあるため、ソフト購入者には今後、無償バージョンアップで機能の追加や改良が行えます。また既存ユーザーも無料で最新版にアップデートできるそうです。
今回、道路線形を読み込む機能が追加されたのは、ユーザーを対象にアンケートを採ったところ、「道路を描く」という使い方が多く、ユーザーからも道路作成機能に対する要望が多く寄せられたからでした。
このほか、追加されたのは
大型クローラークレーン
5種類と、解体工事用のロングアームバックホーの3Dパーツです。
これらはアームなどを動かすことができ、クレーン作業のシミュレーションや作業時の干渉チェックなど、より精密な計画にも使えるようになりました。
気になるお値段ですが、パッケージ版が6万円(税別)、ダウンロード版が5万5000円(同)です。
メガソフトは、1万円を切る低価格ながら、本格的な住宅の3Dモデルが作れる「3Dマイホームデザイナー」というベストセラーソフトで有名ですが、先日、発売された48万円(同)の「3D医療施設デザイナー」(詳細は、当ブログ2018年10月23日付けの記事参照)など、同社としては高価格路線のソフトのラインナップも多くなってきました。
これからもユーザーのターゲットを絞った高価格帯ソフトが登場してくるようですよ。期待しましょう。