セレンディクスの建設用3Dプリンタービジネスが前進! 商用初の建物を長野で竣工、2人世帯用住宅の試作も
2023年6月22日

管理人のイエイリです。

セレンディクス(本社:兵庫県西宮市)は2023年5月末、長野県佐久市に商用第1号となる店舗施設を建設用3Dプリンターで完成させました。

この建物は、2022年10月に初回販売した6棟の1つで、「serendix 10」(スフィア10m3モデル)というタイプです。価格は330万円(税込み)でした。(2022年10月27の当ブログ参照

長野県佐久市に販売用として初めて完成した建物(特記以外の写真、資料:セレンディクス)

長野県佐久市に販売用として初めて完成した建物(特記以外の写真、資料:セレンディクス)

今回、竣工した建物は、医療・介護サービスを展開するカスケード東京(本社:東京都港区)が購入したものです。

その近未来的な外観にふさわしいサービスとして、

ナ、ナ、ナ、ナント、

先進的なトレーニング

や、非日常のリラクセーション体験の提供に使われるのです。

今回の建物は整骨院の施術スペースとして使われる

今回の建物は整骨院の施術スペースとして使われる

違う角度から見ると、建物のイメージが全く違う。近未来的な外観をサービスにも生かす

違う角度から見ると、建物のイメージが全く違う。近未来的な外観をサービスにも生かす

今回のserendix 10は、佐久市内の都市計画区域内に建設されたため、建築確認申請を取得しました。3Dプリンターで造形した部分を「埋設型枠」とし、その内部空洞に鉄筋とコンクリートを充填(じゅうてん)した「鉄筋コンクリート造」としての仕様規定を適用しました。

現地での施工時間は22時間52分でした。このタイプの住宅を初めて建設した時に記録した23時間12分より20分早く完成したことになり、スピードアップも実現しました。(2022年3月9日の当ブログ参照

serendix 10の3D形状(左)と鉄筋構造(右)

serendix 10の3D形状(左)と鉄筋構造(右)

そして、セレンディクスは建設用3Dプリンターの次の商用化として、

2人世帯用住宅

となるserendix 50(フジツボモデル49m2)の出力試験も始めました。

2人世帯用住宅の出力試験。新構造の「片持ち梁方式」の3Dプリンターが使われている

2人世帯用住宅の出力試験。新構造の「片持ち梁方式」の3Dプリンターが使われている

出力された住宅の部材をチェックする担当者

出力された住宅の部材をチェックする担当者

serendix50(フジツボモデル)の完成予想図。60代夫婦2人を想定した平屋建てで、延べ面積49m2、高さ4mを想定している(CG:益山詠夢)

serendix50(フジツボモデル)の完成予想図。60代夫婦2人を想定した平屋建てで、延べ面積49m2、高さ4mを想定している(CG:益山詠夢)

この試作には、同社が2022年12月に中国のYING CHUANG NEW MATERIALS(SUZHOU) CO.,LTD.(WINSUN社)から導入した、100m2の建物も建設できる日本最大の3Dプリンターが使われています。(2022年12月22日の当ブログ参照

このserendix 50はクルマが買えるレベルの、500万円での販売を目指しています。

両タイプの建設が今後、本格化してくると、いよいよ日本でも建設用3Dプリンターによる“建築DXビジネス”が動き出しそうですね。

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