建設用3Dプリンター企業、Polyuseの事業が急進! 7.1億円を調達し、国産3Dプリンターの発売も
2023年2月20日

管理人のイエイリです。

日本でも建設用3Dプリンターによる建物や土木構造物などの施工が少しずつ実用化されてきました。

これらのプロジェクトでは、外国製のマシンが多く使われていますが、日本唯一の建設用3Dプリンターメーカー、Polyuse(ポリウス)(本社:東京都港区)も、施工実績を伸ばしています。

同社は2023年2月15日、報道関係者を対象に事業説明会を行いました。

Polyuse製の建設用3Dプリンターを使った排水用部材の施工風景(以下の写真、資料:Polyuse)

Polyuse製の建設用3Dプリンターを使った排水用部材の施工風景(以下の写真、資料:Polyuse)

Polyuseの共同代表を務める1994年生まれの大岡航氏(左)と、1993年生まれの岩本卓也氏(右)

Polyuseの共同代表を務める1994年生まれの大岡航氏(左)と、1993年生まれの岩本卓也氏(右)

発表によると、2022年12月現在で同社は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

14道府県

でプロジェクトの施工を完了し、さらに20以上の都府県で施工や計画が進行中なのです。

Polyuseの建設用3Dプリンターによる施工実績は、北海道から九州、沖縄まで広がっている

Polyuseの建設用3Dプリンターによる施工実績は、北海道から九州、沖縄まで広がっている

これらのプロジェクトは、公共・民間の土木工事や建築工事が含まれています。

当ブログでも記事冒頭の排水部材の現場製造(2021年12月23日の記事)のほか、集水ますの現場施工(2021年7月2日の記事)、日本初となった建築確認済証付きの3Dプリント建物(2022年3月15日の記事)、国道交差点の縁石施工(2022年9月13日の記事)などを紹介してきました。

集水ますの現場施工(左)と建築確認済証付きの建物(右)

集水ますの現場施工(左)と建築確認済証付きの建物(右)

交差点の縁石施工(左)と重力式擁壁の施工(右)

交差点の縁石施工(左)と重力式擁壁の施工(右)

各地の3Dプリンター施工プロジェクトの記念写真。発注者から施工者、高校生まで幅広い人々が建設用3Dプリンターによる施工を体験した

各地の3Dプリンター施工プロジェクトの記念写真。発注者から施工者、高校生まで幅広い人々が建設用3Dプリンターによる施工を体験した

これらのプロジェクトの約80%が地場ゼネコンによるもので、国土交通省の全地方整備局の工事にかかわっています。まさに“国民的3Dプリンターメーカー”と言っても過言ではありませんね。

同社は、2022年度の事業を「フェーズ1」と位置付けて、β版建設用3Dプリンターを使って施工を行ってきました。

そして同社はこのほど、7.1億円の資金調達も行いました。既存投資家のCoral Capital(本社:東京都千代田区)、池森ベンチャーサポート(本社:東京都港区)、吉村建設工業(本社:京都市中京区)に加えて、新規投資家のユニバーサルマテリアルズインキュベーター(本社:東京都中央区)、SBIインベストメント(本社:東京都港区)、Emellience Partners(本社:東京都江東区)を引受先とした第三者割当増資を実施したものです。

資金のバックアップを得た同社の事業は、2023年度から「フェーズ2」に突入し、BIM/CIMとの連携を進めるほか、製品版建設用3Dプリンターの開発も始め、早ければ

2024年度にも発売

することを目指しています。

β版の3Dプリンター。2023年度から製品版の開発も始まる

β版の3Dプリンター。2023年度から製品版の開発も始まる

日本の建設業で3Dプリンターを本格的に普及させるためには、鉄筋による構造の補強方法や、建築確認の「一般認定」化、積算や工期短縮効果の評価方法、労働安全衛生法による3Dプリンターの扱いなど、様々な課題があります。

Polyuseはこうした課題解決にも取り組みながら、満を持して、国産の建設用3Dプリンターを発売することを目指いるようです。

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